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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

「あの……亜衣……? 大丈夫……?」
ふいに声をかけられて顔を上げたら、みのりが心配そうな顔であたしを覗き込んでいた。
「みのり~~呼び出しといて遅いじゃん~~」
「ごめんね、ちょっと授業が長引いちゃって」
「そんなことより、」
ねえ聞いて~~、と愚痴を続けかけたところで、あたしはハッと口をつぐんだ。
みのりのこの、つやつやした顔。
なんか良いことあったのかな。愚痴なんか聞かせたら心象悪くさせちゃうかも。
「で、相談って?」
愚痴りたい気持ちをなんとか抑えて、冷静に尋ねる。
そしたらみのりは頬を染めて、言ったのだった。
「1つ下の遠距離の彼氏がいるって言ったじゃない? 彼がこの大学受けて、無事合格したの」
「へえ! じゃあ春から遠距離じゃなくなるんだ、よかったじゃん!」
「うん、でね、受験も終わったし、ってことで、彼が近々うちに泊まりに来るの」

