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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

……なるほど。こりゃまたえらいタイミングで。


「んで、初夜に備えて私は何すればいいの~というノロケね」

「そっ、相談だよ……!」

「はいこれあげる」


……こういうかわいい子が彼女なら、遼平も抱きたいって思うのかな。……なんて、ただの僻みだ。やだやだ。


思わず抱きしめたくなるような初々しい反応で顔を真っ赤にするみのりに、あたしは例の紙袋を差し出した。


「なにこれ……?」

「プレゼント。見た感じサイズも合うでしょ」

「サイズ……?」

「みのりはかわいいから何にも心配しなくて大丈夫、そのままでいいの。

ムダ毛処理をちゃんとして、それを着て、『あなたの好きなようにして……』って潤んだ瞳で言っとけばオールオッケー」


顔の横でオッケーサインを作って言うと、みのりの顔はますます真っ赤になる。


「そそっ、そんなの言えないよ!」

「はいはい、じゃ、頑張ってね」


これ以上自ら傷をえぐる必要はあるまい。あたしはよくやった。


溶鉱炉に沈む某アンドロイドの気分で、あたしは食堂を後にした。



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