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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

理由は何にしろさ。
してこないってことは、あたしを見て、抱きたいって思わないってことだよね。
ダイエットとか美容とかファッションとか、けっこう頑張ってるつもりなのにな。
……って、自分で言っててへこんできた。
缶ビールとつまみの入ったレジ袋を抱えてスーパーを出る。
暮れはじめた日の眩しさに目を細めながら、あたしはわざと元気よく歩いた。
いいもん別に。
彼氏がえっちしてくれなくても。誕生日を独りさみしく過ごすことになっても。
ダイエット? 美容? 知るか!
すべて、酒の前では無力なのだ。
ぜーんぶ、飲んで忘れてやるわ!

