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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

早く、確実な快感が欲しくて、いきなりクリトリスを刺激した。


「あああっ!」


久しぶりにしたのもあってか、信じられないくらいの快楽が全身にほとばしる。


イくことだけを目指して、あたしは自慰に耽った。


ローターの振動を最大出力にして、ぐりぐりと、ひたすらクリをなぶる。


「あ、あーっ、あ、あっ、」


視界がちかちかする。早くも絶頂がちらつきはじめる。


勝手にいやらしい声が漏れる。腰がビクビク揺れる。


あー、だめ、だめ、気持ちいい……っ。


「んんっ、はっ、あ、ああ、……遼平……っ!」



――それは、あたしが思わず名前を呼んでイッたのと、ほぼ同時だったと思う。


「ただいまー……」


遅くまで帰ってこないはずだった遼平がなぜかそこにいた。


居間の扉を開けてこっちを見ていた。



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