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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

「……遼平」
「え……、うわああああ! 亜衣、パパパパパンツ穿いて……! え、ちょ、んっ」
ピイピイ言う声は無視して、あたしは遼平の胸ぐらを掴み、引き寄せ、うるさい唇にキスをした。
そしてすぐさま放し、真っ赤な顔で放心状態になっている彼に言い放つ。
「あたしを見ろ!」
それは心の叫びだった。
あたしは、遼平に見てほしかった。ぜんぶ、脱がして、剥がして、丸裸にして、あたしのすべてを見てほしかった。
けれど遼平は、分かっているのかいないのか(たぶん分かってない)、目をきょろきょろさせて、え、とか、あ、とか言うだけ。
――もう限界だった。
「……こんの、くされヘタレ野郎があああああ!」
気づけばあたしは雄叫びを上げ、ベッドに遼平を押し倒していた。
下半身丸出しで。右手にローターを握ったまま。
そんなこんなで、冒頭に戻るわけである。

