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はじめてをきみに
第1章 きみの名前を呼ぶ

先輩のアパートは、まだ新築といってもよさそうな、きれいな白塗りの3階建てだった。
「オートロックとかじゃないんすね」
「そういうところは高いから」
「心配なんで4月から俺もここに住みます」
「はは、空き部屋が出たらいいね」
先輩の部屋は、3階の角部屋、307号室だった。
「どうぞ」
「お邪魔します」
促されて、玄関に足を踏み入れる。
と同時に、繋いでいた先輩の右手を、閉まった玄関ドアに押し付けた。
驚く先輩の唇に、さらうようなキスをする。久しぶりの柔らかな感触。先輩の感触。
ゾクゾクした。
ただ触れるだけのキスが、こんなにも気持ちいい。

