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はじめてをきみに
第1章 きみの名前を呼ぶ

「しょうた……んっ……」
一度はなして、先輩の声を飲み込むように、もう一度重ねる。今度は、味わうように。
緊張でかたくなっている唇を、ほぐすように何度か食む。
ゆるくなった唇に舌を差し込むと、先輩の左手が俺の肩をきゅっと掴んだ。
それが、いとおしくていとおしくて、なんだかもう、壊したいくらいいとおしくて、俺は少し乱暴に、先輩の舌を追いかけて、夢中で絡ませる。
唇の隙間から漏れる、お互いの荒い吐息。唾液を交換する水音。それを時折嚥下する音。すべてが俺の官能をめちゃくちゃに刺激して、とまらない。
「は……んう、けほっ、しょうた、くるしい」
結局、それがとまったのは、飲み込みきれなかった唾液を口の端から垂らした先輩が、苦しげに咳き込んだときだった。

