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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

それを見ていると、なんだか久しぶりに、子供っぽい悪戯心が湧いてきた。
あたしは、深呼吸に合わせてわずかに反ったり曲がったりする遼平の背中の真ん中を、人差し指でつぅー、となぞった。
「うわあ!」
間抜けな声を上げて、びくっと背中を硬直させる遼平。
……かわいい。
「なに!」
「別に~。そこに背中があったから」
「ぞわぞわするからやめて!」
「じゃあ早くこっち向いてよー」
「~~~~っ」
しばらく耐えていたけれど、限界が来たようだ。
遼平は、ぐるんっとこっちに振り向いて、背中をゆるゆると往復するあたしの手を、がしっと握った。その勢いで、押し倒される形になる。
「あ、ごめ……」
明らかに目のやり場に困っている遼平の顔を引き寄せ、ちゅっとキスをした。ゼロ距離で囁く。
「見ていいんだよ、遼平。遼平だけが、見てもいいの」
「亜衣……」
「ねえ、あたしも触るから、遼平も触って?」

