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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

長らく男を忘れていたそこは、遼平のそれに分け入られ、奥を一突きされ、まるで歓喜するように激しく絡みつく。


「は……っ、あ」


遼平は、ゆるりと腰を揺らしたきり、眉を寄せ、目を閉じて動かなくなった。あたしの首元に顔をうずめ、じっとしている。


「遼平……? つらいの?」


思わず髪を撫でながら訊いたら、彼はそっと首を横に振った。


「つらいっていうか……」

「うん?」

「気持ちよすぎて、もう出そう……」

「出していいよ?」

「やだ……、亜衣のこと、気持ちよくしたいもん……」


遼平はなぜか拗ねたような声でそう言って、射精感をやりすごそうとしていた。


……ていうか、『したいもん』って。


なにそれ。でかい図体した男のくせして。……かわいいやないかい。


きゅんきゅんしたので、あたしは遼平の耳元に口を寄せて囁いた。


「分かった。遼平のペースでいいから、あたしのこと気持ちよくして?」

「……っ」


とたん、あたしのナカで、遼平のそれがピクリと震える。


「ちょ……、いま煽るようなこと言うなって……っ」

「えへへ」

「この……っ」

「あっ、……んあ!」


遼平が、やけっぱちみたいな強さで腰を動かし始めた。突然の律動に身構えることも許されず、あたしはもろに快感を享受する。



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