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はじめてをきみに
第3章 愛はやさしくない

「ヒロくん、あっ、だめ、そんな急に……っ」

「だめ? でももう乳首勃ってるよ茉由。ちょっと舐めただけなのに」

「……っ、やぁ……」


 普段なら絶対出ないような低い声が出た。茉由が怯えるように首を横に振る。それを見て、やめなきゃ、許さなきゃ、と理性が声を上げると同時、どんどん胸の内で膨らむものがあった。言うなれば、加虐心にも似た何か。

 もっと、もっと。


「そんなにいいならずっと舐めててあげる」

「え……、あ、あんっ、ああっ」


 激情が、みるみる理性を追いやっていく。

 俺は茉由の小ぶりな胸を寄せて、左右の蕾を絶え間なくいじめた。指の腹で捏ねたり、舌先で何度も何度も弾いたり、唇で柔く挟んでちゅっちゅっと吸い上げたり、こりこりと甘噛みしたり。


「ああ、あん、は……っ、ぁんっ」


 乳首への愛撫を執拗に繰り返す。茉由はつやめいた吐息をこぼしながら身悶えして、やがて懇願するような濡れた瞳で俺を見た。太ももをもどかしそうにすり合わせている。

 茉由の要求は分かっていた。いつもなら黙ってすぐに応えるところだ。

 ……でも、今日は。


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