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第3章 愛はやさしくない

「……茉由」

「ん……？」


　頭の中で何かが弾けた。ああ、俺は、茉由が好きだ。

　とろん、ととけた彼女の耳に、唇を寄せる。もう、迷いはない。


「……そろそろ俺も気持ちよくしてよ」


　俺は低い声でそうささやくと、その細い腰を掴み下ろし、一気に挿入した。根元まで埋まると同時に、いきなり激しく突き上げる。


「ああんっ、あぁっ！　そ、んな、急にぃ……！」


　突然の強い刺激に、茉由は目を白黒させて喉を反らした。その喉に思わず噛みつく。ベッドがギシギシ軋んだ。ぎゅうぎゅう締めつけられて、ため息が漏れる。茉由の中は熱くてやわらかくて、腰がひとりでにかくかく動くほど気持ちがいい。


「は……ぁ」


　こんなに自分本位のセックスをするのは初めてで、ああ、もう、気持ちいい。なにがなんだか分からない。茉由が好きだ。いとおしい。離したくない。壊したくない。……壊したい。

　腰がとけるように気持ちいいけど、一回出したから余裕はあった。俺のを搾り取ろうときつく絡みついてくる内壁を、先端にちゅうちゅう吸い付いてくる子宮の入り口を、かたいそれでえぐるように、ごちゅんごちゅんと何度も突く。

　いや、とか、だめ、とかうわ言のように繰り返すのを無視して、ぐちゃぐちゃに、めちゃくちゃに突き上げる。うねうねと激しくなる中の収縮が、絶頂に近いことを俺に知らせる。