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はじめてをきみに
第3章 愛はやさしくない

「イキそうなの?」

「あーっ、あ、あ、いく、いく……!」


 突いて突いて、突いた。高みへと押し上げて、押し上げて。ギリギリのところまで追いやって、追い詰めて。そうして彼女を、甘やかして、甘やかして――、


「……だめ」


 ――腰の動きをぴたりととめた。

 ……まだだよ、茉由。


「あっ……?」


 絶頂までのあと一歩を見失って、茉由が腰を揺らしながら切ない声を上げる。


「ヒロくん……っ、うごいて、」

「動いたらイッちゃうでしょ」

「イかせてぇ、おねがい……!」

「だめ。言ったでしょ、お仕置きだって。さっきは茉由が先にイッたんだから、今度は俺が先にイクまで茉由はおあずけ」


 言いながら、胸の粒をちゅうっと吸う。


「あぅっ」

「気持ちいいね」

「あぁああ!」


 顔中にキスを降らせながら、一度だけ、波打つように大きく腰を突き上げると、面白いようにびくびくと身体を震わす。



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