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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕
そう、祐樹と二人だけの生活が三日目を過ぎようとしているのだ。
私は、森本と会ったその夜体調を崩して寝込んでしまったのだが、剛もその日に不安定になり倒れてしまったのだ。
夕食のあと、祐樹と片付けをしている時には途中まで普通に見えたらしいが、突然震え始めて全身が痙攣してそのまま意識を失ったらしい。
祐樹が救急車を呼ぼうとしていた時に、父と母が訪ねてきて剛を介抱してくれた。
父と母はたまたま旅行に出掛けた帰りで、お土産を届けに寄ったらしい。
情けないことに、私はすっかり寝てしまっていてその騒ぎに全く気付かなかった。
朝目覚めると、キッチンに花野が居て当たり前のように朝食を作っていた。
仰天する私に、花野は穏やかな口調で昨夜の顛末を話した。
話を聞きながら剛の姿、気配を探したが彼が居ないらしい事を悟り血の気が引いた。
「剛さんは、暫くうちで預かるわ」
「――?」
花野の言葉の意味が分からず、私は絶句する。