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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕
「何ですかっ」
『わあ……本当に怒ってる』
「……笑って楽しく話せる訳がないでしょう?
一体、も、森本君は何をしたいの?
脅したくせに……この間は……や……優しくしてみたり……今だってそうやってからかったり……
わ……私どうしたらいいのか……っ」
話しているうちに感情が昂って、喉が詰まる。
彼は何秒かの沈黙の後、静かに、だがキッパリと言った。
『明日、会えませんか』
「――っ」
『菊野さんの都合の良い時間に……旦那様の病院が終わってからにでも、マンションに来てくれませんか』
「……」
あくまでも『来てくれませんか』という言い方だが、やはり行ったらこの間のようになってしまうのだろうか。
いや、それ以上の事をされてしまう――?