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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕
写真の事を何とかしなくてはならないと思うのに正面から抗議することも、彼の言う通りに身体を許す事も出来ない。
何をしたいのかわからないのは、私のほうではないだろうか?
返事をしない私の警戒を解く為だろうか、彼は明るくこう言った。
『大丈夫です。明日は何もしませんから』
「え……?」
『いや……菊野さんがオッケーなら僕はいつでも抱きますけど』
「――っ」
『な――んて、ね。
……僕、体調悪くして休んでるんです』
「そうなの……?」
『だから、明日は菊野さんに何か作って欲しいんですよ』
「あ……あの……」
『約束しますから……』
彼の声に寂しさが垣間見えたような気がして、胸が痛くなった。