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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
「ゆうえ……作戦?」
「は、はい!
園長さんにお願いがありま――っあ――!」
首を傾げる園長に、私はテーブルに手を付いて頭を下げたが、勢いで額を強打して悲鳴を上げた。
「ママ!何やってるのも~!」
「に、西本さん……大丈夫ですか?」
園長が覗き込んで来るが、その声は笑いで震えている。
私は顔を臥せたまま、情けなくて動けなかった。
――何故こんなに自分は慌てん坊でそそっかしいのか……
先程の電車での出来事といい、恥ずかしくて泣きたくなった。
「――西本さん?」
「は、はい……」
私の返事は既に涙声だった。
顔を上げると、テーブルに涙がポツリと落ちる。