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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
「ママ――!?」
祐樹が目を丸くする。
(ああ……祐樹の前で泣くなんて……
私は何て意気地が無いんだろう……)
「う、うん……大丈夫……何でもないからね?」
笑い顔を作るが、涙がぽろぽろと流れてくる。
祐樹が心配して見ている中で、私は園長に再び頭を下げた。
「剛さんを……外に連れ出す事は……
可能でしょうか」
「……え?」
「家族みたいに……一緒に出掛けてみたいんです……
いえ、本物の家族みたいになれなくても……
剛さんに、少しでも楽しくなって欲しい……
楽しんで貰えたら……嬉しいって……
も、もし……剛さんがっ」
この間の冷たい眼差しが過り、胸が苦しさに潰れそうになる。
「剛さんが……迷惑だっ……て、お、思うなら……仕方ありません……
もしそうなら私……
もう、此処へは……っ」