この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛しては、ならない
第41章 更に抉られる、傷痕②



「剛さん!?どうしたの」

「剛!!大丈夫かっ」



俺は、どうやら大声で叫んでいたらしい。

花野達がリビングから飛んできて俺の手を握ろうとしたが、二人の姿が俺の両親とだぶり、思わず振り払ってしまい、バランスを崩した祖父がよろけて花野が支える。

ああ、しまった――そう思っても、幼い頃に聞いた二人の喘ぐ声や叫びが頭の中で反響し、俺は正気を失いつつあった。



「来るな……っボクにさわるな――っ!!」



俺の意識は完全に幼児に戻っていた。

タバコの火をふざけて押し付けようとする父の醜く歪んだ笑顔。

泣き叫ぶ息子を見てケラケラと声をあげて笑う母。

二人の影が押し入れに逃げ込むボクに近付いてくる。



『あんたなんか、どうだっていいのよ――
はっきり言って、死んでくれても構わないわ。
でも、色々と面倒くさいじゃない?
……ああ、産むんじゃなかった……
あんたなんかいらない……要らないのよ!!』



――ワタシニフレナイデ――


何処かで聞いた声が母の声に重なる。


そうだ、菊野が、ボクに言ったんだ。



/1680ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ