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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
しんとした応接室の窓からは、施設の広いグラウンドが見えた。
子供達が、職員と共にドッジボールに興じて無邪気な笑い声をあげている。
此処にいる子供達は皆それぞれの過去を背負っている。
一人一人の笑顔を見ているとその影は伺えない。
剛も、あんな風に笑い声を立てて走り回る事があるのだろうか?
ピアノを弾く大人びた佇まいからは想像がつかない。
彼を幸せに、笑顔にしたいと思い、引き取る決心を改めてしたけれど、それは間違いなのだろうか……
ぼんやりと子供達が走り回るのを眺めていると、ドアがノックされた。
ビクリと身体を震わせて振り返ると、ドアが静かに開いた。
私はあんぐりと口を開いて固まってしまう。
入って来たのは、剛だった。