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愛しては、ならない
第42章 最初で最後の……
どれくらい眠ったのだろう。
ひんやりとした感触が頬に降れて、瞼がピクリと動く。
「――菊野さん……着きましたよ」
森本の声が耳元で聞こえて、起きなくてはと思うのだが、心地よい眠りはまだ私を離してくれない。
「うう……ん……眠……」
「う――、そんなに可愛く言われちゃうと寝かせてあげたくなるけど……
健康と美容には昼寝は適度な時間がいいんですよ?」
「んん……でも眠……」
「も――、起きないと、このままホテルへ直行しちゃうけど、それでもいいの?」
「――やっ……何もしないって言ったじゃない!」
彼の言葉にぎょっとして、目を覚ました私は身体をガバッと起こした。