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愛しては、ならない
第43章 こわれる
私は何と返事をしてよいのか分からずに、恥ずかしくて赤くなった頬を隠すように毛布を引っ張る。
――嫌ではなかった。
戸惑ったけれど、痛い事もされてないし、彼は自分を挿れることもしなかった。
怖い言葉も、嫌悪を感じる言葉も言われていない。
それに、剛との写真を消してくれた。
ただ、まさか遊園地の敷地内でこんな展開になるとは夢にも思っていなかったし、驚いたし、恥ずかしい思いをしたからその点だけは彼に文句を言っても良いかもしれない。
彼は私が寒がっていると思ったらしく、自分の上着を羽織らせて時計を見る。
「もう四時になりますね。風も冷えてきたし……帰りましょうか」
「も……森本くんっ」
「なんです?」
――誰かに見られてたらどうするのよ!!
と怒鳴ってやりたかったのだが、彼の優しい眼差しに言葉を呑み込む。