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愛しては、ならない
第44章 こわれる ②
病室の前には、皆が勢揃いしていた。
真歩がいち早く俺達に気が付いて、手招きをする。
菊野はこちらを振り返るが、気まずそうに俯いてしまった。
花野と貴文が手をあげて小さく言う。
「悟志さんね、今看護師さん達に身繕いしてもらってるらしいの。
起きて話せるようになってるらしいんだけど、鏡を見て、こんな酷い顔で皆に会えないって言ったらしいのよ……
なんだか可笑しいというか、オシャレな悟志さんらしいわね」
「ま――ったく!私達がその顔を毎日のように見てたのを知らんのかね。
どうなる事かと散々心配させて、あっさり目覚めおって!」
「早く――パパ――」
「私も積もる話が悟志さんにあるのよね――!
例の彼と破局してから、結婚紹介所に登録したの!」
「え――っ!!真歩せんせ、本気じゃん――」
「本気にもなるわよ!30手前だもの!」
花野と貴文と祐樹、真歩は最初はひそひそ声だったが次第にヒートアップしていき、廊下に声が響き渡っていた。