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愛しては、ならない
第7章 遊園地での賭け②
久々に「希望の家」へ剛の面会に行った私は、色んな感情が込み上げて来てまた泣いてしまったのだ。
親子、というには年が近過ぎるにしても私は剛から見れば年上で大人なのに、ちっともそれらしい振る舞いが出来ない。
初対面では他の子供たちの目の前で転び頭から水を浴びるという醜態を晒し、更に絵本の話を剛としていたら感情的になってしまう始末。
そして、そのバツの悪さから剛に会いに行けずに悶々と過ごし、何とか勇気を出して訪ねてみれば剛の顔を見ただけで感極まってしまい号泣してしまうという体たらく。
今までの経緯を思い出す毎に自己嫌悪と恥ずかしさでめり込みそうになってしまう。
「はあ……情けない。
でも、クヨクヨしてももう仕方ないし!
今日は思いきり楽しもうっと!」
落ち込みかけた自分の気持ちを引き立てるように、私は無理矢理明るい声を出して紅茶を淹れた。