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愛しては、ならない
第46章 小さな逃避行②
「……夕夏?」
あまりにも早い絶頂に驚き、彼女の頬を軽く叩く。
小さく呻いて瞼を震わせ、薄目を開けて呆然と宙を見詰め、彼女は聞いてくる。
「私……今、どうなったの」
「さあ……俺にはよくわからないけど、恐らく……」
そこで言葉を区切ると、彼女は真剣に目を輝かせて身を乗り出してきた。
俺は笑いだしそうになりながら彼女の顎を掴み、わざと大袈裟に答えた。
「夕夏は、物凄くいやらしい女だってことさ。
初めてなのにこんな風になるなんて……俺の方が呑まれそうだ」
「――!な、なななな」
彼女はまた真っ赤になり、口をパクパクさせる。