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愛しては、ならない
第46章 小さな逃避行②
「だから……夕夏は凄くいやらし」
「二度も言わないでっ!やっぱり西本君ってSよ――!」
「うわっ」
顔を真っ赤にした夕夏に枕でバシバシ叩かれ、俺は腕で庇う。
「夕夏っ……俺は、褒めてるんだぞ」
「そ、そんな褒め言葉なんかあるっ?」
「あるさ……多分」
「多分って……何よ――!」
「凄くいやらしくて、綺麗で可愛かった……」
彼女の腕を引き寄せ抱き締め、耳元で囁いてみると、彼女の瞳は蕩けるように潤んだ。
「……に、西本君が上手だから、こうなっちゃたんだよ……きっと」
「そうかな……」
「うん……て、知らないけど、多分そうだと思う」
「そっちこそ、多分て何だよ」
俺は笑って彼女の額を指で弾いた。