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愛しては、ならない
第46章 小さな逃避行②
夕夏は突然「あっ!!」と叫び、俺の膝の上から退くと、ベッドから飛び降りる。
裸にタオルを巻き付けて、学習机の中を探り何枚かのディスクを手に、またベッドへ上がってきた。
俺の隣に正座し、手書きのタイトルが書かれたそれらをトランプを広げる様にして見せた。
「さっき、私に、AVを誰と見たんだって聞いたでしょ?」
「あ……ああ、そうだったね」
「何よ――また。気のない返事――……
ま、いいよ……西本君は私には興味ないの知ってるし」
「いや……そんな事は」
「とにかくね、これ、全部ママの彼氏が持ってきたやつなのよ」
「……は?」
「彼氏って言っても、前の前の彼氏ね。
私が中学の時にママが付き合ってたの。
やっぱりバンドマンだったの……私からすると、何処がいいんだろう?て言いたくなる男だったんだけどね。
ママには言えないけどさ。
……二人の気分を盛り上げる為だかなんだか知らないけど、これを持ってやって来たのよ。ある日ね」
夕夏は話しながら、いつの間にか俺の身体にもたれ掛かって居た。