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愛しては、ならない
第7章 遊園地での賭け②
ニ時間後、私達は施設の玄関口で園長と話をしながら剛を待っていた。
祐樹は新しい青い帽子を得意気に園長に見せてニコニコしている。
「お――!カッコいいなあ!それは自分で選んだのかい?」
祐樹と同じ目の高さになるようにしゃがみ、園長が言った。
「パパとデパートに行った時に買ってもらったんだよ!カッコいいでしょ?」
「パパの事が好きかい?」
園長の問いに、祐樹ははにかみながら頷いたが、私は複雑な心境だった。
本当なら、今日は悟志も来る予定だったのだ。
剛をこの家に迎える前に、段階を踏んでお互いに親しくなっていきたいからお願いします、と話をしておいたのに、悟志は昨日になって急に仕事が入って無理だと言い出したのだ。