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愛しては、ならない
第47章 埋まらない溝
彼女も彼の動きに合わせて腰を上下させていたが、彼女の中が烈しく収縮し、激烈な快感に一瞬我を忘れてしまう。
ふたりで同時に達し、彼は熱くおびだたしい量の精を彼女の中へと放った。
快感を吐き出し恍惚の表情を浮かべ天を仰ぐ彼の綺麗な首筋を、彼女はうっとりと眺め、自分もまた、彼と高めあって昇りつめた余韻に浸る。
彼は全ての精を出しきってしまうと、彼女の乱れた髪を指で撫で付ける。
彼女も甘える様に、その指に口付けた。
傍目から見れば、心から思い合う恋人逹に見えるだろう。だが、ふたりの胸の奥には他の愛が住み着いているのだ。
お互いの空洞を埋める為に、寂しさを紛らす為に、身体をぶつけ合って快感を与え合っているに過ぎない。
夢中になっている時には感じない凄まじい虚しさが後で自分を苦しめても、それは自業自得でしかなかった。
「……彰……さっきの」
「ん……?」
「彰が……外道だって?ふふ……」
「ああ……それ、今突っ込むの?」
森本は、彼女の髪から乳房へと指を滑らせ、感触を楽しむ悪戯をするかのようにつついて苦笑する。