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愛しては、ならない
第47章 埋まらない溝
「……っ誰よ……っ……一緒に居る女って……」
清崎は小さく呟き、森本から離れ鞄からスマホを取り出して電話を掛ける。
だが、その顔に浮かんでいたのは失望と焦燥だった。
彼女が掛けても同じ事らしい。
「剛君っ……何で……私じゃなくて……他の子となの……っ」
彼女はスマホを床に投げつけ、踞り震えた。
森本は菊野と通話しながらベッドから降り、彼女の肩を抱いた。
「しかし……どうしたんですかね?
痴話喧嘩の末のプチ家出……とかでは、無さそうですね」
森本はそう言うもの、他の原因を思い付かない。
あんなに二人は惹かれ合っていたのに、剛が菊野から離れたがる原因はなんだったのだろうか。
菊野からの電話にも出ないとは……