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愛しては、ならない
第47章 埋まらない溝
「電話に出ないなら……ラブなメールでも送ってやったらどうですか?
菊野さんの自撮りヌードなんか貼り付けたりすれば効果てきめんじゃないですかね?
少なくとも僕ならウハウハしながら速攻で家出止めて帰りますよ……ははは」
森本の軽口に、清崎が不快そうな眼差しを向け、彼は舌を出した。
菊野が啜り泣くのが聞こえてきて、彼は更に何か軽口を言おうとしていたのを止めた。
『私……剛さんを……傷つけたの……
も……もう……終わらせようって、決めて、彼にそう言ったの……そしたら剛さんが……っ』
「え……!?」
『剛さん……私を嫌ってると思うわ……
だから……他の女の子と……っ』
「菊野さんを嫌う訳が無いでしょう……?
ほら、今日泣いてばかりじゃないですか……剛より、僕は菊野さんの方が心配です」
『う……森本く……んっ……』
「少なくとも、誘拐された訳じゃ無さそうですしね……剛の命の危険はありませんよ。
それだけは良かったですね」
森本が菊野を落ち着かせようと声を掛けるのを、清崎は燃える様な瞳で睨み付けていた。