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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と

『祐樹――!あんたってやることが極端過ぎるのよ!
ここはね、大人――な真歩先生にまかせなさい!!』
真歩は鼻息荒くそう言うと、悟志の頬を掴んで左右に思いきり引っ張った。
目を白黒させる悟志は、あまりの痛さと驚きで悲鳴も上げれず、彼女を呆然と見詰める。
『せんせ――!何してんのさ――!』
祐樹が目を剥くが、真歩は悟志の頬を更ににゅん、と伸ばしながら、肩を震わせて泣き始めたのだ。
『……悟志しゃんの……あほんだら――っ!
私のっ……結婚相手を……職場の部下に……いい奴がいるからって……紹介するよって言ってた話はど――なったのよ!
悟志しゃんはぶっ倒れちゃうし……わたじ……心配だし……しゃとしさんも心配だぇど……ぞの話がっ……
どどど……どうなるのかしらっで……すっごく気をもんでだんだから――!
あーほ!!あほ――――!!』
わっと声を上げ、悟志の胸に何度も頭突きしながら泣く真歩に、悟志は息も絶え絶えに謝った。
『そ……そうだったのかい……言われて……みればそんな……話をした……ようなしてないような……
ご、ごめん…ね…つまり、覚えてないね……はは』
『はは、じゃ――ない――っ』

