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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別


悟志は結婚する前から菊野にベタ惚れで、それは溺愛といっても過言ではなかった。

菊野のやることなすこと全てを心配し、気を揉んでいた。

だが、彼はそんな心配している気持ちを菊野にぶつけたりしなかった。



「ただでさえ親子の様に歳が離れているのに、口うるさくしたら親が説教してるみたいになるよね」



と言って、彼は菊野の親友の真歩に溢していた。

真歩は、いつの間にか悟志の愚痴の聞き役になっていたのだ。

菊野と結婚する前には、どうしたら菊野に振り向いてもらえるのか、という相談とも愚痴ともつかない話に延々と付き合った。


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