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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別
酔いも手伝ってか、悟志と貴文はかなり飛ばしていた。
貴文は元々がお調子者の気(け)があるのだが、菊野が生まれて父親となってからは、自分の調子に乗りやすい性格を律していた。
だが皆で過ごすクリスマスの楽しさと、同じ世代で仲の良い悟志が一緒、ということで、箍(たが)が外れてしまった。
相当酔っぱらっていた貴文は、悟志と妙な対決を始めたのだ。
『悟志――!勝負しようぜ――!』
『お、なんです?飲み対決ですか?』
『ちっちっち。そんな有りがちなつまらない方法で対決をすると思うのかい――?』
『……ほうう。じゃあ、どんな面白い事をするんですか』
額をくっ付けあって互いを至近距離でガン見しながら言い合う二人を、花野は呆れて見ていた。
『全く、男の人って本当にバカよ。
……放っておいて、私たちは向こうでケーキ食べましょう』