この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別
『うんうん……そうだよね、いきなり結婚とか言われても……こまるよね。
だから、まずはちゅーからだよ!!』
悟志は、満面の笑みを浮かべて両手を広げて菊野に近付くが、菊野は真歩の背中に隠れた。
『な……何がだから……なのよ――!
真歩――助けてっ』
『菊野~いいじゃない、ちゅーくらい』
『だ……だってだって……』
『菊野……男の勝負の約束なんだ……悟志君の純情を受け止めなさい』
『パパ――!』
貴文は、涙ぐみながら花野の肩を抱いてリビングを出ていってしまった。
花野はドアを閉める瞬間に『菊野、女の子はね、愛されるのが幸せなのよ』
と言ってウインクした。
『そ……そんな……ママまで』
菊野は真歩の背中にしがみついたまま呆然と呟いた。