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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別
『菊野ちゃん……怖がらなくていいから』
悟志は精一杯の笑顔を真歩の後ろに隠れる菊野に向けるが、菊野は頑なに首を振った。
真歩は必死な悟志が気の毒になってきて、菊野の手を掴み、グイと前に押し出した。
『真歩――?』
『菊野、悟志さんが頑張ったんだから、あんたも頑張りな』
『まってよ、行かないで――真歩っ』
真歩は、心細く叫ぶ菊野の声を聞きながら後ろ手にドアを閉め、溜め息を吐いて寝室へと向かった。
心の中で、悟志を応援しながら――