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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別
悟志は、ポケットから小さな箱を出して見せる。
真歩は、その形からある物を連想し、目を見張った。
『クリスマスだし……菊野ちゃんに、プレゼントしてちゃんと告白しようって思ってたんだけど……
なかなか踏ん切りが付かなかったんだ……でも、真歩さんに叱られて、腹を決めたよ』
彼の瞳に強い光が戻り、真歩の胸はズキズキと痛み、悲鳴をあげる。
――悟志さん、菊野に、好きだって言うの?
嫌だ……嫌だよ……言わないで――
『……今から、菊野ちゃんのところに行って話してくる……ありがとう、真歩さ……』
『……かないで』
真歩は、悟志のシャツの袖を掴み、俯きながら呟いた。
『真歩さん?』
『行っちゃ……やだ……』