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愛しては、ならない
第7章 遊園地での賭け②
『一目見た時から……君が好きになった』
悟志の言葉が唐突に蘇り、何故かとてつもない罪悪感に襲われた。
収まりそうにない胸の中の高陽と、悟志にすまない、と思う正体不明の気持ちで私は混乱しそうになるが、無理矢理それに蓋をするかの様に毛布を引っ張り頭から被ってキツく目を閉じた。
――考えたらダメ。
考えても分からない事は、考えったって答えは出ない……
――――――――――――
結局、昨夜はそんな感じで寝付けないままだったのだ。
「ふああああ」
寝坊はせずに済んだが、今頃になって眠気が襲ってきて大きな欠伸が出てしまう。
「あ、剛君、お早う」
園長の声で私は我に返り、慌てて両手で口を塞いだが、剛が真っ直ぐにこちらを見ているのに気付き、恥ずかしさで顔が熱くなっていく。
(欠伸……見られちゃったよね……)
「剛君、祐樹君だよ?」
園長が祐樹を紹介すると剛はにこやかに笑った。
「つよしお兄さん、はじめまして!今日はよろしくおねがいします!」
元気に挨拶する祐樹を、剛は眩しい物を前にしたように目を細めて見詰めた。