この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第7章 遊園地での賭け②
祐樹の、恐れを知らない、真っ直ぐな無邪気な黒目に、剛は憧れと劣等感を覚えた。
菊野が、自分と祐樹が似ていると言うが、確かに顔立ちはそうなのかも知れない。
だが、目の前で眩しい笑顔で立っている祐樹は、自分とはまるで違う環境で育った
"健やかな子供"
だ。
(俺とは、別次元の子供だ……)
「――剛、さん?」
気が付けば、菊野が心配そうに首を傾げ、黙り込んだ剛を見つめている。
剛は我に返り、笑顔を作り祐樹に改めて向き直った。
「宜しくね……
祐樹君。
今日は沢山遊ぼう」
「うん!」
祐樹は心から嬉しそうに笑い、剛の手を握った。
剛は一瞬戸惑うが、輝く様な笑顔を向ける祐樹を見て、自分も笑うと、手を握り返す。