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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②
五分程走り、細い路地に入り車を左に寄せて停める。
真歩は先に降り、二人にも来るように目線で促す。
森本は降りて開口一番、「うわ――しっぶい」と呟き、清崎は目を丸くする。
そこは、真歩がここのところ毎日お参りに通っている神社だった。
鳥居をくぐり、祭壇まで真っ直ぐに歩く真歩に二人が続く。
「なあに、お姉さん、夜にこんな場所へ来る趣味があるの?
痴漢とかにあわない?」
軽口を言う森本を振り返り、真歩は「まあ、此処には真剣にお願い事をする人しか来ないわね。
人妻を押し倒すような痴漢少年は来ることはないかな――」
と言い、森本を絶句させた。
「……キツいな――お姉さん」
苦笑する彼だったが、祭壇に登り手を叩き、一礼してから目を閉じて手を合わせる真歩に習い、手を合わせた。