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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②
清崎も、お手本のような綺麗な所作で、彼に続いて手を合わせる。
真歩は二人がお祈りを終えるのを見届けると、ニッコリと笑って二人の肩を叩いた。
「ねえ、少年に少女よ。あんた達、今神様に祈ってた?」
「……え……う――ん……なんだろう……そんな様な気もするしそうでないような気もするし……」
森本がフワフワの前髪を指でかきあげ、清崎を見るが、彼女も首を傾げていた。
真歩は小さく笑うと、大きく伸びをして夜空を見上げる。
「そうよね、こういう場ってさ、神様とか信じていなくても、なんかそういう気持ちになるって言うか……
大体が、自分と縁もゆかりもないこの神社の神様……何て言う神様が祀られてるのも知らない私らの俗っぽい願いなんて……聞いてくれるはずがないじゃん、て思うけどね」