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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②
清崎は黙って真歩の話を聞いている。
その様は、先程までの荒れた印象は無く、真歩が彼女と初めて会った時の印象の「純粋な少女」そのものに見えた。
森本は腕を組み、真歩に少し突っ掛かる様な口調で言った。
「――だったら、何でお姉さんはこんな所来るわけ?」
「それは……自分自身を確認するためかな」
「……?」
真歩は踞り、神社の石を手に持って並べ始める。
整然と横一列に並べられたそれを、突然掌でグシャグシャにすると、溜め息を吐いて二人を見る。
「――思い通りにいかない事ばっかよね?」
「……っ」
二人の瞳が僅かに揺らめくのを見て、真歩は小さく笑う。
「子供の頃なんて、余計にそう思うよね……
親のせい、家のせい……あいつのせいだって……でもさ……そんなの、大人になったておんなじよ」