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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②
ブツブツと、口の中で呟く真歩をよそに、清崎は森本の手を握り締めて小さく言う。
「ママと……パパにも……ハッキリ言う。元の、二人に戻って欲しいって……」
「晴香……」
「それで無理なら……もう仕方がないって諦める」
「剛の事は?」
清崎は、大きな目を潤ませて声を震わせた。
「うん……剛君にも……フラれちゃったら……沢山泣くよ」
「泣いて、また死ぬとか言うなよ?」
「言わないよ……」
「その時には、僕の胸を貸すよ」
「もうっ……彰ってば……調子いいんだから」
ミラーの中で二人が笑い合うのを、真歩は白い目で見て溜め息を吐いた。
「はあ……私だって、誰かの胸で慰めてもらいたいわあ……」