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愛しては、ならない
第8章 遊園地での賭け③
(私も……あんな風に打ち解けられたらいいのに……)
祐樹と剛は腕を組み、何か楽しそうに言い合いながら歩いているが、私は二人から少し離れてトボトボと後を付いていく。
「ママ――!
遅い――!
次はゴーカートだよ――!」
祐樹は振り返り、叫ぶ。
私が力無く笑い手を振ると、剛が祐樹に何かを言って、こちらに走ってきた。
私がビックリしていると、剛に荷物を取り上げられる。
「――持ちます」
剛は柔らかく笑うと、祐樹の方へと歩いて行ったが、私は何故かドキドキしてその場に固まってしまった。
手が……
彼のしなやかな指が、ほんの少し、触れた。
触れた指先が熱い……
「な、何で……」
何故こんな風になるのだろう。
祐樹と手を繋いでも、勿論こんな事にはならない。
悟志と手を繋いだって、ドキドキした事はないのに……