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愛しては、ならない
第53章 最後に、もう一度だけ②
彼女の中で果てたばかりだと言うのに、もう次の行為を欲して身体が熱く猛っていた。
菊野の顔に掛かる長い髪を指でどけて、彼女の瞳を見詰めると、涙が溢れそうに潤んでいて、また俺は甘く苦しい嵐に巻き込まれる。
「菊野さん……菊野……愛している」
「――っ」
「愛している」
「……や……やめて」
彼女は耳を塞ぎ、瞼を閉じてしゃくりあげた。
俺はその手を掴み口付け、囁いた。
「貴女だけを……愛している」
「剛さん……っ……黙って」
「愛しているんだ」
「止めて――」
「菊野……っ」
肩を大きく震わせ泣く彼女の唇を俺は烈しく奪った。