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愛しては、ならない
第53章 最後に、もう一度だけ②
「止めない……と言ったでしょう」
掌で、指先で、唇で……俺は彼女の肌に触れて、その柔らかさ、薫りを記憶に刻み込んでいく。
今、この瞬間(とき)も――貴女に出逢ったあの日から今日までの一つ一つを、俺は忘れない。
貴女の微笑み、小さな仕草、その甘い声、俺に言った恋の言葉、何気無い出来事の全てを。
貴女が忘れたいとしても、俺が忘れてなんかやらない。
貴女の心の中にも、その身体にも、俺を深く刻み込んでやる。
どうせ別れなら……どうせ、今日を限りに触れられないなら……
菊野は脚をばたつかせ、腕を滅茶苦茶に振り回して暴れて泣いた。
だが、俺は彼女を力で押さえ付け、蕾の中へと舌を割り込ませ、彼女が痙攣しぐったりしてしまうまで、その溢れる蜜を味わった。