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愛しては、ならない
第8章 遊園地での賭け③
「この子、ここまでクタクタになる位夢中になるのは珍しいのよ……
同い年の友達とも遊ぶけど、やっぱりお兄さんと遊べるのが嬉しいのかもね……」
祐樹に上着を掛けると、剛が褪めた声を私に投げ掛けた。
「――僕は、祐樹君の兄ではありません」
「――剛さ……」
思わず顔を上げると、祐樹と遊んでいた時の無邪気な表情が嘘の様に冷たい目をした剛が、私を見ている。
その目に、私は魅入られた様に息を呑む。
まだ11歳だというのに、剛は時々とてつもなく大人びた顔をする。
(だから、私はドキドキしてしまうんだわ……
その事に特に、意味も理由も無い筈よ……)