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愛しては、ならない
第54章 四年後
「おい……止めろって」
「むむ――っ!お前、人の事をバカだなんだ言ってるけどお前は何なんだよ――っ」
「……おい……よせって」
祐樹は剛の首にぶら下がる様にしていたが、彼が手に持つ葉書に載っている名前を見て、思わずあっと声を上げた。
「……森本、彰……?」
「うん?……ああ……森本が今回幹事らしいな……あとは」
剛は、何故か険しい目をしている祐樹を不審に思いながら、葉書に再び目を落とす。
幹事の名前には森本と、倉沢友佳の名前があった。
友佳、というのはユカタンと呼ばれていた、岬夕夏の友達だ。
「あいつか……あ……でも当然か……同じクラスだったもんな」
眉をしかめてブツブツ呟く祐樹を剛は鋭い目で見る。
「……森本がどうかしたのか」