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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
第3シーズンも放映されたが、雲居の出演が無かったせいなのか視聴者の飽きなのか、視聴率は低迷し、第4シリーズの企画は無いらしい。
真歩の事は勿論、雲居がその後どうなったのか気になって仕方がなかったが、私から真歩に連絡をするのは躊躇われた。
あんな風に別れてしまったとは言え、一番の友達だと思っているし、彼女にとっても私はそういう存在だという自惚れはあったが、テレビの番組を見てから連絡を取るというのは、ただの野次馬根性に捉えられてしまうかも知れない、と思ったのだ。
そうしたら、なんと真歩本人からコンタクトを取って来たのだから、私は飛び上がる程に驚いたし、嬉しかった。
しかも、結婚式の招待なのだ。多分、真歩も(今連絡をしなければ、もう二人の仲は終わりになってしまうかも……)と思っていたのかも知れない。
人生の重大な、そして幸せな瞬間に立ち会う事を許されて、私は本当に感激した。
しかも、相手はその雲居その人なのだ。
テレビでずっと見ていたから彼の事も他人とは思えなくなっていた私は、二人に心から祝福をしようと思ったのだ。