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愛しては、ならない
第8章 遊園地での賭け③
「ああ――――!
そうだっ!」
私は、誤魔化す様に、殊更大きな声を出す。
祐樹が耳を塞ぎ顔をしかめた。
「ママ……
うるさいよ~」
「えへっ!
ごめんね!」
涙を拭い、無理にでも笑顔を作り、なんて事はない振りをするが、剛はさとい子供だから、こんな私の虚勢など見抜いているのかも知れない。
けれど、あのまま、グズグズ泣き続けて居ても何もならない。
私は、やけっぱち半分で、ある事を実行しようと決意した。
――もう、みっとも無い所ばかり見せて来たし、格好付ける必要なんてない。
とことん馬鹿になってやる、と言い切る位の気持ちで、最後にあがいてみよう……
私は、祐樹をそっと離し立ち上がる。