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愛しては、ならない
第56章 二十歳の同窓会
清崎は、一番奥のテーブルに俺を座らせると「ちょっと待ってて」と言ってキッチンへ引っ込んだ。
まさかこんな形で再会すると思わなかったので、彼女に何と言って切り出せば良いのかと考えようとするが、うまい言葉が浮かばずに指でテーブルをトントンと叩いた。
考えてみれば清崎は隣のクラスだったのだ。
どういう経緯でこの店で同窓会をする事になったのだろうか?
「はい、喉乾いたでしょ」
白い手がレモネードのグラスを持ってきてテーブルに置いた。丸い氷が揺れてグラスにぶつかり涼やかな音を立てる。
「ありがとう……あ、あの……清崎は何で今日……」
「私の母が経営してる店なの……私も高校を出てからは時々手伝ってるの。
森本君に頼まれて、今日は特別に貸し切りなのよ。料金も特別にサービスしてるのよ」
「そうなんだ……」
「剛君……目、悪くなったの?」
清崎は、俺の眼鏡を見て首を傾げる。